新潟バイオリン教室日記*ハルモニア雑記帳*

新潟と長岡の音楽教室『こどものための音楽の家ハルモニア』の日々のあれこれ

秋来ぬと 

 

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「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」 作者:藤原敏行 (古今和歌集) 

今朝はゴウゴウと音をさせて強い風が吹いていて、庭の草木も大きく揺れています。
夏の暑さを吹き飛ばして行くかのよう。
はっきりとした秋の気配に気付かされる。

庭に立つと、風と一緒に吹き抜けるように、
「風の音にぞおどろかれぬる」
という、この和歌の一節の言葉が、鮮やかに浮かびました。

藤原敏行(ふじわらのとしゆき)は平安時代の貴族。
そんな遠い人の気持ちと、ふと共鳴できるなんて、芸術(和歌)の力はすごいものだなと思いました。

敏行さん(いきなり馴れ馴れしい呼び方で失礼ですが、現代にも普通にあるお名前なのでそう呼んでみたくなる)は、この歌を「秋立つ日によめる」、つまり立秋の日に詠んだ、と書き添えられています。

「秋立つ日」、
これもなんとも素敵な響きの言葉。

ちなみに今年2015年の立秋は8月8日なので、一ヶ月も前のこと。
確かに8月の立秋の頃であれば、秋の気配は「目にはさやかに」見えないでしょう。
その、まだ暑いさなかの「かすかな秋」を見逃さない感性の繊細さがすばらしいわけですね。
まさに一流の芸術家の感性。

逆に言えば、一ヶ月遅れで「秋の気配」を感じている現代の自分は、ずいぶん鈍感になってしまっているのでしょう。

今年の秋の読書は「古今和歌集」からはじめることに決めました。





category: 季節のしおり

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