新潟バイオリン教室日記*ハルモニア雑記帳*

新潟と長岡の音楽教室『こどものための音楽の家ハルモニア』の日々のあれこれ

琵琶法師とアニメ「大里峠大蛇伝説」 

 

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(朝靄の関川村の山 大里峠はこの山中か? 2017年7月2日撮影)


前回、薩摩琵琶について少しお話ししました
今日は、私が琵琶の演奏で参加した、大島祐輝さんのアニメーション作品「大里峠大蛇伝説(おおりとうげだいじゃでんせつ)」と、そこに登場する琵琶法師について書いてみます。

「大里峠大蛇伝説」の元になった昔話は、関川村に伝わる、大蛇になってしまった女性と、その秘密を知って村人に伝えた琵琶法師、そして、庄屋さまを中心に力を合わせて大蛇から村を守った村人の物語です。

この昔話の興味深く、そして不思議なところは、今も現地の関川村に「物語にまつわるもの」が多く残っているということだと思います。
大蛇になった女性「おりの」さんの住んでいた場所、大蛇のおりのと琵琶法師が出会って話をした峠、村人を率いた庄屋様の館があり、そして、村の神社に今でも物語の琵琶法師のものと伝わる琵琶が大切に収蔵されているという、昔話にしてはずいぶん現場や物証の多い、真実味のあるお話しです。

私が関川村に行ったのは、2017年7月のはじめ。バイオリンのコンサートとワークショップをするためでした。
宿から見える橋を目指してドライブした時だと思うのですが、何かある、と見つけて寄ってみたら、琵琶法師の姿と大蛇のお話しが刻まれた石碑がありました。付近には、その物語らしき蛇の絵が彫られたレリーフも飾られていて、なんとなく怖いような気持ちになりました。

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(その時に撮った琵琶法師の石碑の写真です)

ちょうど梅雨の終わり頃で、川の水が増していて、土色の水がゴウゴウと音を立てて生き物のように流れるようすがまた恐ろしく、大蛇とはこの川のことなのだろう、と、ストンと腑に落ちたことを覚えています。

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(大雨の後の濁流でした)

長く琵琶から遠ざかっていたこともあり、まさかあの石碑の琵琶法師さまの琵琶の音を担当させて頂く日が来るとは、夢にも思っていませんでした。
お話をいただいた当初、私で良いのかな?という気もしましたが、いろいろな偶然が重なり、頑張ってみようという気持ちになりました。拙い演奏ですが、心を込めて弾かせていただきました。

大蛇の伝説も、琵琶の音も、アニメーションという形で、たくさんの方に知っていただけるのはとても嬉しいことだと思います。
ご覧いただければ幸いです。


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琵琶について 

 

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琵琶をご存知ですか?

琵琶と言う名前、形、音などを知っていても、
実際に演奏するところを見たことがあるという方は少ないのではないでしょうか。

私が演奏する楽器は薩摩琵琶です。

私は5歳からバイオリンを始めましたが、同じ頃から琵琶の音にも興味がありました。

探して探して、ついに本物の琵琶と巡り会ったのは18歳の時。
でも「琵琶」には、私が想像していたものとは大きく違う部分がありました。
それは、バイオリンのように楽器の演奏単独のものではなく、「語り」の芸能の楽器だったと言うことです。

琵琶の曲は、古典の平家物語の源平合戦のお話や、忠臣蔵、幕末から明治初期の西郷隆盛と言うようなものまで、全体的に勇ましい曲が多く、歌も詩吟のように声を張って堂々と力強く歌わなくてはならず、それが若い頃の私にはなかなか難しいことでした。

薩摩琵琶は、薩摩藩の武士が精神の鍛錬のために練習していたと言う話がありますが、そのくらい気合が必要な楽器だったのです。

琵琶については、まだまだいろいろお伝えしたいこともありますので、
それはおいおい書かせていただきます。

活動の再開にあたって琵琶のプロフィールをつくりましたのでご覧ください。
薩摩琵琶 髙橋育世プロフィール

琵琶の演奏で参加のアニメ「大里峠大蛇伝説」は、こちらです。
アニメ「大里峠大蛇伝説」

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