美しい布

秋のシャツを作ろうと思って、リバティープリントの布を出してきました。
しなやかな軽い布で、長袖の着はじめの時期には良さそうです。
小さな花の模様がびっしり。
この柄は、もともとは男性のシャツ用にデザインされたものらしいです。
男性のシャツを作ったらかなりおしゃれですよね。
でも布の長さが男性用には足りないので、自分用のものを作ります。
どんなデザインにしようか、そこが一番の悩みどころ。
マニッシュな感じのかっちりしたデザインにするか、
袖か、襟か、どこかにちょっぴり柔らかい感じを取り入れるか。
自分にうまく作れそうかどうかも重要なポイントです。
いつも思うことですが、布は布のままの時が一番美しい気がします。
この美しさを損なわずに、生かすような服に仕立てたいなあと思います。

tb: -- cm: --
作りかけ

作りかけの、リネンのブラウスです。
出来上がったときにお見せするべきなのでしょうけれど、形になってくると嬉しくてつい。
出来上がってしまえば服。でも途中の段階はまだまだ空想の余地があって、私はどちらかと言えば途中が好き。
などと言い訳をしてみたり。
20代でソーイングの先生の教室に通って以来、洋裁歴はけっこう長いものの、ちゃんとやろうと思い立ったのはロックミシンを購入したほんの数年前からです。
その頃、生地屋さんで「これは!」と思う生地に出会うと、夢の方がどんどん先に広がってしまってつい購入し、でも腕に自信がなくてハサミを入れられず、という事が度々ありました。
そうしてたまった「お気に入りの布地」がタンスから溢れ出す事態となり、
家にいる時間の多い今年、その数年来の宿題を少しずつ形にしています。
まだまだ暑い日が続いていますが、洋服作りは秋のものに取り組み始めました。
この深い赤の良い色のリネンの布も、数年タンスに眠っていたものがやっとかたちに。
作るのを躊躇するほどに、柔らかくてズルズルと形の定まらなかった綾織の布も、
服になれば、しなやかで着やすい一着となりそうです。
tb: -- cm: --
新潟はりみ

教室の掃除をするのは毎日の仕事です。
掃除機も使いますが、最近気に入っているのはこの組み合わせ。
和歌山の職人さんが作った棕櫚の荒神箒と、はりみ。
和歌山の棕櫚箒との出会いはもう10年以上前で、京都の三条の箒やさんで購入して、
頑張って新潟まで持ってきた大きい箒が一本、今も現役です。
その優秀さは実感していたので、小回りのきく荒神箒も最近買い足しました。
はりみ、は、和紙と竹ヒゴでできていて、柿渋が塗ってあります。
軽くてしなやか、
なんとも言えない良い色と、良い形です。
これを持ってお掃除していると、生徒さんから
「かわいいちりとりですね」と言っていただくことがあります。
この「はりみ」は、新潟はりみ、と言うらしく、
生産地は新潟、と書かれていることもあるのですが、
新潟のどこで作っているのかな?と思って調べても、わかりません。
古くは、農家の方が農閑期に作っていた、というような情報はちょっと見つかります。
今でもそういう感じなんでしょうか。
毎日手にする道具が、美しいものであること。
今年は特に、そういうちょっとしたことに、心が助けられる感じがすることがあります。
tb: -- cm: --
初秋の月

夜が少しずつ長くなってきました。
まだ昼間の暑さが残っている部屋で、エアコンをつけて夜の練習をして、
練習が終わって部屋の外へ出たら、いつの間にか、部屋の外の方が涼しくなっていました。
開いている窓から、すーっと冷たい風が入ってきていて、
リーンリーンと鳴く虫の声も、一緒に窓から入ってきていました。
今年初めて感じた秋の気配です。
窓の外には、ほんの少し欠けた丸いお月様。
明日の満月に向かって、丸いかたちに近づいていくお月様です。
私は、秋の気配のこの季節が一年で一番好きです。
理由はいろいろあるけれど、やはり、「芸術の秋」の入り口、ということが大きいかなと思います。
例年なら、この秋にやりたいこと、行きたいところ、見たいもの、と、
いろいろな楽しい計画が湧き上がってくるのですけれど、
今年は、夢の翼を広げるのもいつものようにはいきません。
でも、自然は今年も同じです。
このひとときは、憂いを忘れて、
しばし月の光と虫の音を楽しもうと思います。
tb: -- cm: --
| h o m e |