お彼岸。道に迷って狐に出合う

今日はお彼岸の中日なので、「おはぎ」を購入すべく出かけました。
目指すは、薄皮の大福で有名な、新潟の人気の餅屋さん。
いつもの道、信濃川の川岸のやすらぎ堤を通ると、
家族連れや、犬の散歩、ランナーのみなさん、本格的な自転車乗りの方たち、などなど、
それぞれに連休の最終日を楽しんでおられます。
正午頃、日差しが強いですが、空気はさわやかなので、自転車で気持ちよ〜く。
ついつい行き過ぎたらしく、完全に道に迷いました。
それからどこをどう通ったのか、
はじめてのこの場所に出ました。

「湊稲荷神社」
おおー、これは、噂に聞く、あの「回す狛犬」のとこではないですか!?。
新潟島の「歴史散歩」マップなどに、必ず紹介されているスポットです。
いつか行って見たいなと思いながら、いままで来た事が無かったのは、
「たどり着ける自信がまったく無かった」というのが一番の理由。
この辺、とくに信濃川の方からアプローチしようと思うと、必ず迷います。
(そして、今日も迷ってる訳ですが)
新潟島の中は、以前は堀が縦横無尽にめぐらされた街だったのです、まるでベネチアのように。
その堀が時代とともに埋め立てられ、消えて行ったのですが、
水の流れまかせの高低差の都合か、必ずしも平行に走っている訳では無い堀の跡地がそのまま道になっているため、
道も平行ではなくて、迷います。
しかし、今日は迷ってラッキー。

これが、噂の「回す狛犬さん」。
回しながら願をかけるのだそうです。
こんな方式の狛犬は、全国的にも珍しいのではないでしょうか。
私は今日は通りすがりなので、狛犬さんにもご挨拶だけして、回さずに。
お願いごとがある時には、あらためて。

お稲荷様なので、もちろん狐さんもいますが。。。
えーっ、これは知りませんでした、狐の足が紐で縛られている。
この紐は、神社の中で販売されていました。
こうやって縛って、やはりお願いごとをするもののようです。
その昔、この辺は新潟の花街があったところで、
そこの女性たちが、お客の船乗りさんが長くいてくれるように、海が荒れて船が出発できませんように、と、
願をかけたんだとか。
(ということは、狐さんの足も、元は「足止め」という意味なのかな。)
新潟が北前船の港町だった頃のお話。
新潟の歴史を感じる場所です。
それからも迷いつつも、狐さんのお導きか?、ほどなく餅屋さんにもたどりつき、
無事「おはぎ」も購入して帰れました。
そういえば、私、今日の朝ご飯に油揚げをいっぱい食べたんです。
なんだか日本昔話みたいな展開で、ちょっと笑ってしまう。

日が傾き始めた頃、太鼓の音が聞えて来て、
教室の裏の通りを、御神輿と天狗様の行列がにぎやかに通りました。
どこの神社のお祭りなのか、毎年お彼岸の中日に、この一行が通るのでした。
今年も、いい天気で良かったですね。

今日、庭でみつけた花。
「秋明菊(シュウメイギク)」です。
これも、いつ植えたんだか、記憶に無いのですが。
まるで野原に咲いている花のように、庭の片隅に小さく可愛く咲いていました。
秋明菊、秋らしい今日の日差しの中で咲く花になんと似つかわしい名前でしょう。
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混迷を極める...楽譜整理

今年は季節の移り変わりの足取りが早いようです。
まだ9月だというのに、新潟は10月頃のようなスッキリとした晴れで、空気もすっかり秋の感じ。
晴れて湿度が低い。
虫干しに好適!。
ということで、連休の一日を活用して、日頃懸案の蔵書楽譜の整理に手を付けました。
とにかく、文字通り「山ほどある」楽譜を、どう整理したら使いやすくなるのかというのは、永遠のテーマ。
作曲家別にやってみたり、よく使うものを分けてみたり、ジャンルの中を更に時代で分けたり。
いろいろ試した結果、現在の所、整理下手な自分には「ざっくりしたジャンル別」が一番良さそうという結論に達したので、
その方針で分類をはじめた所です。
コンチェルト、ソナタ、小品、
合奏の曲も、バイオリンだけの二重奏、三重奏以上、
他の楽器とのDuoは、ギター、ビオラ、チェロ、フルート、うた、etc
トリオ、弦楽四重奏、それ以上の編成、
曲集、
ポピュラー系、
教本、
ビオラ用、
クリスマスみたいなシーズンもの、
アレンジもの、
などなど。
それぞれ一山ずつあるのは確実なので、収納にはまた工夫が必要だけれど、
とにかく今は先の事は考えず、迷わず「分類」に専念します。
増える事はあっても、減る事はほとんど無い楽譜。
皆さんどうしてらっしゃるのでしょうね?。
さて、作業に戻ります。
午後三時追記。

あれから半日、順調に積み重なった楽譜の山。
そして、さすがにこれで終わりだろうと思った頃に、奥の書棚から出て来た古い楽譜の一山(こっちは100冊程度か)は、
とりあえず天日干し。

予想以上の大仕事になりました。
(まだ途中だけれど)
これ、完了したらかなりスッキリする予感です。
「こんなの持ってたのか!?(完全に買ったのを忘れている)」と、自分でも驚いて、直ぐ弾いてみたくなるようなのを何冊も発掘しましたが、弾くのはおあずけにして、頑張ります。
蔵書のリストを作りたいけれど、それはまた果てしない仕事になりそう。
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サリチェ:合奏練習

シルバーウイークの日曜の午後、
アンサンブル・サリチェの皆さんの合奏練習をしました。
曲目は、レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」の中の、
「シチリアーノ」など。三曲程。
アンサンブル・サリチェのメンバーの方は、ほとんどが、教室に入られて何年か練習された大人の生徒さんたちで、
お一人ずつでは、もうずいぶん難しい曲を弾いていらっしゃるのです。
しかし、合奏は、一人で弾くのとはまた違う難しさが有ります。
その「難しさ」を体験して、自分にとって「何が難しいのか」に気付くのは、
長くレッスンを続けていらっしゃる生徒さんにとっては、特にとても大切な事だと思っています。
「ああ、難しい〜」
そんな事を言いながら帰って行かれた方がいましたが、それが大切。
その事にちゃんと気付けたのは、実は素晴らしい事。
バイオリンは、ピアノと違って、一人だけで弾くという事は少ない楽器です。
ソロの曲もありますが、どちらかというと合奏に向いているので、
合奏に慣れることは、生徒さん各人の勉強にもなり、
先々、それぞれの活動の可能性も広がるはずです。
今日は、私も、自分がかなり真剣に初心に帰れる楽器=「ビオラ」で参加して、
「ああ、もっとビオラもちゃんと練習しなくては」と、個人的な反省点も。
良い「音楽の秋」の一日になりました。
練習に集まって下さった皆さんに、感謝。

窓の外の庭では、抜けるような青空と透明な光の中、
秋の蝶がいそがしく飛び回っていました。
2015/09/20 Sun. 17:40 [edit]
category: アンサンブル・サリチェ
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秋来ぬと

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」 作者:藤原敏行 (古今和歌集)
今朝はゴウゴウと音をさせて強い風が吹いていて、庭の草木も大きく揺れています。
夏の暑さを吹き飛ばして行くかのよう。
はっきりとした秋の気配に気付かされる。
庭に立つと、風と一緒に吹き抜けるように、
「風の音にぞおどろかれぬる」
という、この和歌の一節の言葉が、鮮やかに浮かびました。
藤原敏行(ふじわらのとしゆき)は平安時代の貴族。
そんな遠い人の気持ちと、ふと共鳴できるなんて、芸術(和歌)の力はすごいものだなと思いました。
敏行さん(いきなり馴れ馴れしい呼び方で失礼ですが、現代にも普通にあるお名前なのでそう呼んでみたくなる)は、この歌を「秋立つ日によめる」、つまり立秋の日に詠んだ、と書き添えられています。
「秋立つ日」、
これもなんとも素敵な響きの言葉。
ちなみに今年2015年の立秋は8月8日なので、一ヶ月も前のこと。
確かに8月の立秋の頃であれば、秋の気配は「目にはさやかに」見えないでしょう。
その、まだ暑いさなかの「かすかな秋」を見逃さない感性の繊細さがすばらしいわけですね。
まさに一流の芸術家の感性。
逆に言えば、一ヶ月遅れで「秋の気配」を感じている現代の自分は、ずいぶん鈍感になってしまっているのでしょう。
今年の秋の読書は「古今和歌集」からはじめることに決めました。
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