Carpe diem 咲いては散る薔薇たち

(イングリッシュローズ 「ウィンダーメア」)
5月は薔薇の季節。
この時期は、どうも例年仕事が忙しいシーズンで、
ともすると、せっかくの花をゆっくり眺める心の余裕も無く、あっという間に見頃を過ぎてしまうこともしばしば。
「えーっ!、もう散っちゃったの?」と、待ってくれるはずも無い薔薇にがっかりするという、よくある失敗。
ほんとうに、人間の思惑などまったく関係無しに、咲きたい時に咲いて、
惜しげも無く散ってくれるのです。
まあ、そこが良いんだけれど。
Carpe diem
カルペ・ディエム
「その日の花を摘め」
咲いては散って行く薔薇の花を見ていると、そんな言葉が思い浮かびます。

(モッコウバラ 一番の早咲きの薔薇で、いつも桜が終わるとすぐに咲き始めます)
以前は「ボタニカルアート」という植物図鑑のような絵を描いたりしたのですが、最近はその余裕も無くて、
とにかく、花の良い姿を目撃したら、とりあえず写真に撮るのが精一杯です。
ボタニカルアートは、ほんとうに花を「見たまま」、植物学的な記録としても正しく描くのが普通の絵と違う所です。面白いのは、写真と違って描くのに時間がかかるので、描いている間に植物が「動いている」のが目に見えること。薔薇など、花びらを描いているうちにどんどん開いて来たり、茎や葉っぱが思いがけない振れ幅で動いているのがよくわかります。
描き上がった絵にそれが現れているかはわかりませんが、描きながら時の流れが感じられるのが写真とは違う所です。

(イングリッシュローズ 「メアリーローズ」)

(イングリッシュローズ 「ウィンチェスターキャシードラル」)
今、教室には、野生種からモダンローズまで9種類の薔薇があります。
それぞれの花の違いにはお気づきにならない方もいらっしゃるかも知れませんが、薔薇好きにとっては「ほんのちょっとの違い」が楽しかったりします。
例えば上の2種類の薔薇は、枝違いと言って、同じ薔薇からたまたま生まれた色違いの品種なので、花の色以外の性質は全く同じです。でも、色でずいぶん印象が違います。
こんな所が楽しいのです。

(イングリッシュローズ 「ウイリアムシェークスピア2000」)

(ノイバラ)
今年は急激な気温の上昇で一気に咲いて、薔薇のシーズンはすでに終わりに近づいています。
でも、まだ咲き残っていますので、教室の行き帰りにお楽しみ頂ければと思います。
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メンテ完了

メンテナンスして頂いた私の楽器が、一週間ぶりに帰って来ました。
ポコポコ指跡が凹んで来ていた指板を削り直して頂いたり、あちこち調整して頂いたり、
気をつけて使用しているつもりでも、長い間についてしまっていたニスの表面の微細な傷等も直して頂いたらしく、
すっきり綺麗になって戻って来ました。
姿も音も美しく仕上げて頂いて、とても幸せな気持ちです。
道具が使いやすい状態になっているという事は、ほんとうに素晴らしい事だと実感。
なんというか、うっとりするような上質な弾き心地になりました。
楽器屋さんの素晴らしい技に感謝。
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熱狂の!「ラ・フォル・ジュルネ」の記。その2

「みんなの音楽入門」パッション・セッション・エデュケーションが終わって一週間。
8日〜10日にはラ・フォル・ジュルネ新潟2015の本公演が開催されました。
私は、「みんなの音楽入門」の後、みごとに高熱を出しまして、回復して気付いたら次の週末になっていた(途中の記憶あまり無し)という残念なゴールデンウイークだったのですが、そこからがラ・フォル・ジュルネの本公演だったので、今度は聞く方として楽しませて頂きました。ちょっと得した気分です。

おお、これが噂のプロジェクションマッピング。
県民開館の壁はすごく良いスクリーンだけれど、あまりに四角いスクリーン過ぎて、東京駅で話題になっていたプロジェクションマッピングみたいな、建物に映しているという意外さは薄いかな。

お客さんは釘付けで見ております。
この観客の中にルネ・マルタンさんもお見かけしました。
(その時は、「まさか」と思いましたが、後のコンサートの時に舞台上で挨拶されたので間違い無く御本人)

パシオン。これが今年のテーマです。
この日は、ベートーヴェンのバイオリンコンチェルトのコンサートを聞きに行きました。
出演予定だったオーギュスタン・デュメイさんが体調不良で取りやめになって、代役のオリヴィエ・シャルリエさんが演奏されました。
初夏の宵、公演をお散歩してコンサートを聴けるなんて、
贅沢ですね。
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熱狂の!「ラ・フォル・ジュルネ」の記。その1

2015年5月3日、ラ・フォル・ジュルネ新潟2015の関連イベントとして、
「みんなの音楽入門」パッション・セッション・エデュケーション、
を上演いたしました!。
(上の写真は本番前のリハーサル風景です)みんなの音楽入門Webサイトは→こちら
さて、今更ながらですが、基本的な所からおさらいです。
「ラ・フォル・ジュルネ」とは...
1995年に、フランスの港町ナントにて誕生した音楽祭。 ルネ・マルタンさんというアーティスティック・ディレクターが創り出しました。その音楽祭はフランス国外にも拡がり、日本でも、2005年に東京、2008年に金沢、そして2010年からは新潟とびわ湖で開催しています。
この催しの特色は、2日間くらい24時間絶え間なく音楽を、いくつもの会場でコンサート形式で提供する祝祭的なイベントということ。一つ一つのコンサートは短く、一流の演奏家の出演にもかかわらずチケットは安価に設定(気軽に聞ける)というのが、そもそものこの「ラ・フォル・ジュルネ」の特色です。
今やすっかり「音楽祭の名前」として定着している感のあるこの「ラ・フォル・ジュルネ」というタイトル。はじめて聞いた時には「なんのことだろう?」と思った物ですが…。
これはモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」の原作であるフランスの作家ボーマルシェの戯曲のタイトルからとられたもの、なのだそうです。
その原作タイトルこそ「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)、あるいはフィガロの結婚」というものです。(この件、ほんとかな?と思って調べてみましたところ、wikiにも「原作の正式な題名は『狂おしき一日、あるいはフィガロの結婚』(La Folle journée, ou le Mariage de Figaro)」の記載有り。フィガロの結婚って原作はフランスの作品だったんですね…。)。
ともあれ、1784年に発表されたこの戯曲は、当時の民衆の価値観を覆し、フランス革命の契機になったと言われているほど革命的な内容でした。(あまりの過激な内容にフランスでは発禁になり…と、当時の政治的な背景等も調べると、なかなか興味深い作品のようです。国は違えどオーストリアだって王様がいた時代の事です、よくまあモーツァルトはこの作品に目を付けて、オペラ化と上演に成功した物だと思います。)
生みの親ルネ・マルタン氏によって、そのような破天荒で革命的なイメージがあたえられている音楽祭が、この「ラ・フォル・ジュルネ」ということのようです。
さて、私たちのコンサートですが。
そのラ・フォル・ジュルネの本来の趣旨と精神に、かなり沿った内容の物になっていたのでは?と思います。
いろんな意味で、バリバリと型を破ったコンサートができあがりました。
ルネ・マルタンさんにご覧頂けなかったのが、残念です。

本番の様子です。
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